Smily Books Blog 2023年7月更新中

「めし」(1951)

まずは原節子でいろいろと。。
CATVで以前成瀬巳喜男監督特集やってたので、それで録画済みの映画をようやくチェック。
タイトルだけ聞くとなんだか荒々しいというか大衆食堂の話?みたいなイメージだが、本編は全然違って、
戦後間もないほのぼのとした大阪長屋が舞台。でも女の自立とか幸せみたいな事もほのかにテーマしてて、なかなか楽しめました。
製作サイドのメンツ見ると監督だけでなく原作(林芙美子)、監修(川端康成)、音楽(早坂文雄)と凄い顔ぶれ。おまけにその年のキネ旬2位になってるし。(ちなみに1位は小津さんの「麦秋」)
ってそんな事には関係なく古い町並みの映し方やそれにマッチしたなんでもないセリフ回しがとにかく素晴らしい。小津さんだと独特の低いカメラアングルとかカメラに向かって飄々と?しゃべるシーンが多いけど、成瀬さんはそんな事もなくクセのない感じでこれがまた良かった。
あと原節子が長屋でネコを飼ってるのだけど、これがまたなんとも癒されます。
ほっとできる場所だと人は眠くなるとか、ほっとした時好きな人の顔を見て思わず?おなかがすくとか、そういう何気ない事が男の(=女の)幸せだよみたいな事を全く説教くさくなく、さらっと見せてます。
その辺もうまいというかしゃれた映画です。

あと成瀬さんの「驟雨」と黒澤監督で「わが青春に悔なし 」をまだ見てないのだけど、それはまた。