Smily Books Blog 2023年7月更新中

驟雨(1956)と娘・妻・母(1960)

成瀬巳喜男監督の原節子を立て続けに見る。

「驟雨」は笑えるシーンが多かった。夫が読む前に料理の記事を切り抜いたり、新婚の姪が夫に向けた悪口を自分の夫にあてこすったりと嫌味のない悪戯が当時でいうフランス風エスプリという事らしい。
近所の映画館に出かけるシーンでロケ地が世田谷と判明。いったいどこでロケをしたんだか。。
そういえばメガネをかけたザーマスおばさんもなかなか笑える存在で、町内会議で放し飼いの犬は困ると息巻くのに誰にも相手にされなくて。。。皆さん悩みはバラバラで言いたい放題のまとまりのない会議が笑える。しかし、戦後の日本って犬は放し飼いだったんですね。凄いというか、でも犬にとっては良い時代。
あとは音楽が全編ショパン風ピアノで秀逸。テーマも雨だれを意識してる風。

「娘・妻・母」はカラー作品。でも話はありきたり。
死んだ夫の遺産金目当てに家族が群がるという話。
これは意に反して今だから笑えるのが仲代達也。とにかく若い。
設定も原節子の年下だし、実際見た目も若いし、それが新鮮。
逆に草笛光子はまるで変わっていない。昔からフケてたのか、今が若いのかは謎。


次回は寺山修二と大島渚関連の感想でも書いてみるつもり。小津や成瀬作品とは全く対極だけどね。。


以下ご参考まで。古い日本映画好きな人って他にもいるのね。

日本映画の感想文
http://home.f05.itscom.net/kota2/index_jmov.html

私的・原節子映画ベスト10
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/8715/best10.htm