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戦略「脳」を鍛える 御立 尚資(東洋経済新報社)

1.インサイトの定義
戦略の定石に加えて必要な能力のこと。
戦略構築に必要な頭の使い方、ならびにその結果得られる、ユニークな視座のこと。
ユニークな戦略は定石にインサイトを加えることで得られる。

2.インサイトを見につけるための要素
(1)スピード
戦略の定石を加工応用して仮説を立て、これを検証するまでの速度を指す。思考の作業をスピーディにおこなえば、相手がまだ考えつかない戦略をいちはやく展開できる。

(2)レンズ
ユニークな仮説を作り出すモノの見方、思考ツールのこと。
こうしたメカニズムを働かせるには、左脳と右脳の両
方を使いこなす必要がある。

3.「スピード=(パターン認識+グラフ発想)×シャドウボクシング」
(1)パターン認識
将棋でいえば、過去の定石・定跡を覚えて使いこなすこと。

(2)グラフ発想
盤面を右脳でビジュアル的にとらえ、指し手のアイデアを考え出す手法。

(3)シャドウボクシング
考え出した指し手を論理的にチェックし、納得できる答えを導き出すまで、右脳と左脳で仮説と検証を繰り返すこと。

これらの作業をいかに速く行うかが、勝敗のカギとなる。

4.「戦略脳」トレーニングの要旨

以下の順で訓練する。

(1)パターン認識の利用
「この場合はAパターンが使えるのでは」「BとCを組み合わせれば読み解けるのでは」など、パターンの記憶の引き出し(コンセプトワード)を使い、左脳で言語を処理する。

(2)目の前の事象のグラフ化
複雑な事象を右脳でビジュアル的に把握すれば、思考スピードをぐんと上げることができる。
操作により多様なシミュレーションも可能。

(3)シャドウボクシングで検証
右脳と左脳を交互に用い、戦略を進化させる訓練をする。
こうして思考はもっと速度アップする。
さらに多様なモノの見方を可能にする「レンズ」を使いこなせば、インサイト、「戦略脳」を身につけたことになる。