一目でわかる表現の心理技法 海保博之(共立出版)
1.見やすくする
(1)1ページに詰め込む情報量(版面率)は60%程度とする。
(2)レイアウト上の配慮
①中心を常に意識する
②横書きの場合、下部、右部にやや情報を多めにする。
(上部、左部に視覚が集まるため、バランスをとる)
(3)黄金分割(1:1.632)を用いる。
2.印象づける
(1)ゲシュタルト(形態)の要因をレイアウト設計に生かす
・近接性(近いものはまとめる)
・類同性(似たものはまとめる)
・連続性(連続したものはまとめる)
・閉合性(閉じたものはまとめる)
・対称性(対称なものはまとめる)
3.わかりやすくする
(1)「わかる表現」とは相手の長期記憶の知識と照合しやすい表現のこと。
(2)「わかりやすさ」は相手のメタ認知(どの程度わかったか知る事)能力で決まる。
(3)長期記憶の更新が行われる表現がよい
・「わかった、しかし、当たり前」=長期記憶の既有知識と同化するだけ。
・「わかった、なるほど」=長期記憶の既有知識と照らし合わせ調節(更新)が行われる。
(4)同型性違反に気をつける
・見る人の立場、視点、状況、大きさなどを考慮する事
(同じだと思い込んでいて他者が見ると異なる場合があるため)
4.記憶を助ける
(1)思い出す手がかりを豊富にしておく
・ビジュアル表現などで情報を冗長化する。
ただし、表現の簡潔さと冗長さとは、ほどよいバランスが必要
(冗長すぎると余計な情報が含まれてしまい、覚えるべき対象が曖昧となるため。)
・図で不足している場合、文字で補足する。
・メリハリのある表現とし、覚えるべき対象を絞り込む。
・エピソード、例えを活用する。
(2)探しやすくする
・概要把握(目次、概要説明)
・キーワード参照(索引、強調文字)
・現状把握(ページ、章や節の項番、ヘッダ)
5.心に訴える
(1)AIDMAの法則(広告宣伝)を参考にする
Attention(注意を引く)
Interst(興味・関心を引く)
Desire(欲求に訴える)
Memory(記憶してもらう)
Action(買ってもらう)