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「すまいりマンスリー」から引っ越しました。

Smily Books Blog 2017年8月更新中

誰のためのデザイン D.A.ノーマン(新曜社)

1.毎日使う道具の精神病理学
(1)可視性(visibility)
デザインの原則として、操作するときに重要な部分は目に見える形でかつ
適切なメッセージを伝えていないといけない。(恣意的でなく自然に解釈されるデザイン)

(2)アフォーダンス(affordance)
どのように使うことができるかを示す特徴を表す。
(ex.椅子は支えることをアフォードする)
単純なデザインはそれ自体のアフォーダンスで十分であり、説明は不要となる。
認知心理学上、操作のしやすいデザイン)

2.日常場面における行為の心理学

(1)メンタルモデル
思い込みから人は勝手に結びつけようとする。
良い事象は自分のせい、悪い事象は周りの環境のせいとする。

(2)行為の7段階理論
①ゴールの形成
②意図の形成
③行為の詳細化
④行為の実行
⑤下界の状況の知覚
⑥下界の状況の解釈
⑦結果の評価

ただし、実際はあらかじめ十分に計画、分析するよりも、
毎日の活動している最中にちょうど良い機会が来た時にそれを行う(=行為の実行)ことが多い。

(3)(2)を手助けするデザイン
①可視性
②良い概念モデル
③良い対応付け
④フィードバック(行為の実行結果がわかること)

3.頭の中にある知識と下界にある知識
(1)情報は下界にもある
行動は(頭の中の)記憶にある情報と下界にある情報を組み合わせて決定される。
(2)極度の精密さは必要でない
正しい選択肢を選び取るのに必要な情報や行動を知識から引き出す事さえできれば良い。
(3)自然に制約は発生する
下界との制約により許された範囲で行動が決定される。
(4)文化的な制約も発生する
社会的な行動として何がふさわしいかを決める慣習が適用される。
(5)人間の記憶タイプ
①恣意的なものに関する記憶
格別意味がなく、他の項目とも関連がないもの(機械的学習。丸暗記。)
②意味のある関係に関する記憶
それ自身あるいは既に記憶されているものと関係を形成しているもの
③説明による記憶
覚える必要がなく、むしろ他の説明メカニズムによって作り出されるもの

4.誤るは人の常
(1)エラーの形態
・スリップ
自動化された行動から生じる。
あまり意識せずに行った行為が知らない間に途中でわき道に入ってしまう。
①乗っ取り型(capture errors)
意図とは異なっているにも関わらず、外界からの刺激により普段慣れている行動を行う。
②記述エラー(description errors)
行為としては正しいが、その対象が間違っている。(ex.洗濯物入れでなくトイレにシャツを投げる)
③データ駆動型(data-driven errors)
感覚データが行為の邪魔をする。(ex.部屋番号メモを見ながら電話番号をかける時、部屋番号をダイヤルしてしまう。)
④連想活性化エラー(associative activation errors)
外界のデータから連想したものを先走って考えてしまい、間違った行為を行う。
⑤活性化消失エラー(loss-of-activation errors)
何をするのかを行為の途中で忘れてしまう。(行為のゴールを忘れてしまう。)
「物忘れ(forgetting)」
⑥モードエラー(mode errors)
同じ装置に複数の異なるモードの操作方法があるために操作を間違える。
・ミステーク
意識的によく考えた結果生じる。
部分的な情報から誤って一般化し過ぎてしまい、重要な食い違いが発生する。

5.難しい作業を単純なものにするための原則
(1)外界にある知識と頭の中にある知識の両者を利用する
・デザインは両方の知識を仲立ちし、相互支援するべき
・当初デザイナーの知識であるデザインモデルとユーザモデルを擦り合わせ、システムモデルを構築する
・マニュアルもシステムイメージの一部であるが、理想的にはマニュアル不要なデザインの製品が望ましい
(2)作業の構造を単純化する
・作業は以前と同じままで、メンタルエイド(思考、記憶の補助)を行う
・従来目に見えないものを可視化し、その結果をフィードバックさせる
・作業は以前と同じままで、自動化を進める
・(本来の目的はそのままで)作業の性質を変更する
(3)対象を可視化し、実行と結果を結び付ける
(4)対応づけを正しくする
以下の関係に対して、自然な対応づけを行う
・意図とその時点で実行できる行為の関係
・ユーザの行為とそれがシステムに及ぼす関係
・システムの内部状態とそれを可視化したものとの関係
・ユーザが知覚できるシステムの状態とユーザの要求・意図・期待との関係
(5)自然の制約や人工的な制約の力を利用する
・物理的制約、強制力により実行選択肢を少なくし、エラーの可能性を低くする
(6)エラーに備えたデザインとする
(7)(1)〜(6)全てうまく行かない場合、標準化する

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