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いかに「プロジェクト」を成功させるか DIAMONDハーバードビジネスレビュー編集部(ダイヤモンド社)

1.なぜプロジェクトの迷走を止められないのか
(1)プロジェクトの「旗振り役」と同時に「見切り役」が必要(客観的データで打ち切りの裏づけを示す)
(2)実現可能性を判断する基準を早期に決めて、プロジェクトは遵守すること

2.楽観主義が意思決定を歪める
(1)計画立案の段階で外交的視野(競合他社、別プロジェクトとの比較など)を重視する
 ①対照クラスを選定する
  統計的に十分な有意性を持てるくらい幅広く集めてから、
  当該プロジェクトと比較可能な事例だけ絞り込む
 ②結果の分布を見極める
  収集したデータの分布(傾向、ばらつき)を分析する
 ③分布における当該プロジェクトの位置付けを予想する
  ・当該プロジェクトがどの位置にあるか直感的に予想する
  ・直感的=バイアスがかかる場合が多いため、④、⑤で補正する
 ④自分の予想の信頼性を見極める
  これまでの予想確率から、どれくらいの確度か推定する
 ⑤③の推定値を修正する

3.チームEQの強化法
(1)チームの能力を高める三要件
 以下の三要件を満たす環境を用意することが必要
 ①メンバー間に信頼関係が築かれていること
 ②メンバー一人一人がチームへの帰属意識を持っていること
 ③各メンバーが、チームの強みを認識していること
(2)チームの感情を制御する
 ①欲求不満解消の経営資源を創造する
 ②肯定的(楽観的)な環境作り
 ③能動的な問題解決の奨励

4.アイデアの具現者(アイデア・プラクティショナー)が企業を動かす
(1)仕事順序
 ①アイデアの発掘
  ビジネス以外の分野に目を向けること
 ②アイデアのパッケージ化
  アイデアを具体的な効果と関連付けること
 ③アイデアの売り込み
  ベンチマーキングによるデータ提示(show-and-tell)で、実例による説明を行う事(説明は切迫感と大胆さが肝要)
 ④アイデアの導入
  トップダウンボトムアップ同時に採用すること

5.時間的制約は創造性を高められるか
(1)時間的制約は通常創造的思考を妨げる
 ただし、その仕事の緊急性に意味があると感じた場合(使命感)、良い結果が生まれる
(2)新しいアイデアを探求するには、個人で集中できるある程度(できれば一日中)の時間が必要
(3)時間的プレッシャーがなくとも、ルーチンワークで行っている限り、新しいアイデアは生まれない
(4)一週間の労働時間のうち15パーセントを創造的活動に充てる(3Mの場合)
(5)マネージャは
 ①部下の労働時間の分断化(集中力低下を招く)を抑えることが必要
 ②1対1の共同作業や話し合いを促進し、義務的なグループミーティングはやめること
 ③活動や計画になるべく急な変更を行わないこと

6.デザイン・ストラクチャー・マトリックス法
(1)CPM(Critical Path method)、PERT(Program Evaluation and Review Technique)
 作業フローで表すため、複雑なプロジェクトでは数10〜百ページとなり、使いにくく判別不能となる。
(2)設計構造マトリクス(DSM:Design Structure Matrix)(参考URL http://www.dsmweb.org/
 情報の流れをマトリクス化する
 ①製品開発に必要な作業を特定する
 ②各作業にどのような情報ニーズ(インプット情報)があるのか特定する

7.大プロジェクトは小さく管理する
(1)大型プロジェクトの二つの重大なリスク
 ①空白リスク
  ある必要な活動が事前確認されなかったため生じたリスク
 ②統合リスク
  バラバラな活動が最終的にまとまらないリスク
(2)「ラピッド・リザルト・イニシアティブ」の導入
 プラン全体に一連の小規模プロジェクトを導入し、短期間で結果を出すしくみとする
 ①成果主義(測定可能な結果を早期に実現させる)
 ②的確な垂直型活動(クロス・ファンクショナルな同時並行作業で、リスクを低減させる)
 ③スピード(最大100日間で完了する)