Smily Books Blog 2023年7月更新中

バカの壁 養老孟司(新潮新書)

1.「個性を伸ばせ」という欺瞞
(1)意識して「個性的」になる必要はない。言語の論理と文化、伝統自体がそもそも「共通性」を追求するもの

2.万物流転、情報不変
(1)(記録された)情報は変わらない、人間は常に変わる。身体的(老化)にも精神的(考え方)にも
(2)個性より相手の気持ちがわかること(共通意識)が大事

3.無意識・身体・共同体
(1)「知行合一」入力した知識は体から出力して初めて学習したことになる
(2)日本的悪平等(閉じられた共同体の論理)
  日本の官庁(特に外務省)は国益より省の利益のために動く(世襲キャリアが多い)

4.バカの脳
(1)賢い人の脳とは
 ・社会的適応性の高い人が「賢い」 
 ①しわの数なら人よりイルカの方が多い(無理矢理クシャクシャにして収めているだけ)
 ②記憶力など特殊な能力のみ高くても社会生活不適応な人もいる
(2)天才とは
A,B,C,Dというシナプスの順番を飛ばし、AからDに繋げて情報処理できる人
(意識的にできる人と無意識でできる人がいる)

5.一元論を超えて
(1)合理化の末路
 ・合理化追求して余った時間はどうするのか?
  インドの答えはカーストによるワークシェアリング
  (本来一人で出来る仕事を階級に細分化して複数で行っている)
(2)虚の経済
・貨幣による経済は信用経済
・世界に共通するエネルギー単位を基準にした経済が実の経済
・虚の経済でお金が回っている間に無駄なエネルギー(石油、環境)がなくなってしまう事が問題