マネジャー・どう行動すべきか 畠山 芳雄(日本能率協会マネジメントセンター)
1.マネジャー・マトリクス
業務と人、管理(既存ルールをミスなく運営)と改革(新たなルール作り)でマネジャー機能をマトリクス分析すると以下の4つとなる
(1)業務管理(2)業務改革(3)人の管理(4)人の改革
2.業務管理
(1)例外管理方式
標準に合わない例外事項のみ相談して決定する
→例外事項はその時点においてワン・ベスト・ウェイを見つけるという考え方
→ただし、標準(マニュアル)そのもののレベルが高いことが前提となる
(2)決裁は即決が原則
Yes/Noで即決できない場合の保留も含め、3つの何れかで即決する
3.業務改革
(1)テーマ決定
以下3つの観点で重要度考慮して判断
①組織貢献度②自己力量③タイミング(組織内外の時期的条件、潮時)
(2)方法の展開
テーマに対する問題解決方法(アイデア)は、まず部下にぶつけてみる
→強い反論/激論となるなら合格(論議すら生まれないなら不合格)
(3)説得
①的確な内容
事実を定量データで裏打ちする
複数案(できれば第一案、対案、折衷案の3つ)から絞り込む
反対意見の出そうな人物と事前討議しておき、意見を分析・反映
切り口の質の低下(重要な判断漏れ)がないこと
②平素の信頼感(説得する/される側双方)
③説得技術(タイミング、説明順序、表現方法)
4.人の管理
(1)動機付け(仕事を面白くやる指導)
①自主性(仕事の主人公になる)
②計測(スコアをつける)
③目標追求(スコアの結果を見て、たえず工夫していく)
(2)任せる育て方
①目標とゴール(納期)をまず決定させる
②達成方法は任せる
③(達成できない状況になったら)バックアップし成功させる
5.人の改革
(1)風土(社風、部風など)改革
①活性改革
まず部門内の一人ひとりが何を考え、何を求めているか把握する
「活性」にはまず「衝突」が必要
→互いの意見交換による学び合いも衝突のひとつ
②個別風土改革
①により積極性、挑戦意欲が出てきたら、これまでの悪しき価値観、行動習慣を改革する
→重要なものから一つずつ(1年目は品質、2年目はコストといった具合)
→根気良く繰り返し何度も説得、説明するしかない
(2)マネジャー自身の改革
以下の4つのどの段階かを認識すること
①管理不全②正常管理のみ③受動改革④主導改革
6.マネジャーの自己革新
(1)自主プログラム
絶えず別の角度から刺激するプログラムが必要(社外セミナー、異業種交流、雑誌購読など)