意思伝達編 論理力を鍛えるトレーニングブック 渡辺 パコ(かんき出版)
1.意思が伝わるメッセージ
(1)イシューと問題、課題の違い
①イシュー(今、考えるべきこと)
考えるべきことだが、それが問題なのか課題なのか、また良い/悪いといった評価していない状態のもの
また、そのイシュー自体、最終的に解決すべきものとなるかどうかもまだわからない状態
②問題(今、解決策を検討していくべきこと)
悪い、重大という意味が含まれている
③課題(今、解決に向けて取り組むべきこと)
すぐにでも対応するべきだという意味が含まれている
(2)メインメッセージ
イシューに対する答え(自分の主張)のこと
(3)ロジックと表現の時間配分
①ロジック(ピラミッド作成=論理の構築)に全体の7割
②表現(口頭、文章、図表化作業)は全体の3割
(4)ロジックと情報収集の時間配分
①情報収集はロジックの3割程度にとどめて、ロジックと並行して行う
→ロジックは不足情報を補足しながら数回組み直すことになる
(5)情報収集時の注意点
①良い文章を書こうとしない
・情報収集で「良い文章だ」と思っても、それがイシューから外れている場合、除外すること
・最後に出てきた事実(ラストストロー:最後のわら)に引っ張られて、全体のバランスを見失わないこと
②それまでのロジックの組み立てプロセス(思考プロセス)をそのまま文章にしない
・「論理的」=「筋道が通っていること」と勘違いしないこと
・筋道が通っていても、その間に無駄/不足な情報があるとNG
・「文章をピラミッド構造化してメインメッセージがクリアに相手に伝わること」=「論理的」と考える
2.意思伝達力を生み出すステップ
(1)イシューを考える
①言葉の定義でなく、広く意味を考えていくこと
定義から入ると狭い範囲に思考が限定されてしまう
②イシューは必ずしも1つとは限らない
複数あってもよいが、その時はイシュー間の論理性を保つこと
(2)ピラミッドストラクチャー(切り口)を発見する
①イシューのパート分け(サブイシュー作成)の理想はMECE
ただし、メインメッセージを支える妥当性の高いキーメッセージを見つけ出すことが目的のため、
それが達成されるのであれば、必ずしもMECEでなくともよい
②サブイシュー発見方法
・メインイシュー自体を詳細検討
・読み手(意思を伝える相手)の立場で探索
・書き手にある持ちネタから探索
(3)サブイシュー毎に収集情報をグルーピング
(4)キーライン(パーツ毎にまとめたサブメッセージ)に対してSo What?を繰り返す
①メッセージに対する理由付けとなっているかどうか何度も検討する
②思考を止めない方法として、頭の中で考えるのでなく、必ず紙に書く(あるいはPCにメモする)こと
(5)表現にまとめる