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ロジカル・ライティング (BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING) 照屋 華子(東洋経済新報社)

1.論理パターン
(1)並列型
 結論を支える客観的根拠が並列提示され、それがMECEとなっているもの
(2)解説型
 結論を支える根拠が事実(客観的根拠)と判断基準/判断内容(いずれも主観的根拠)の3つからなり、それがMECEとなっているもの

2.導入部の組み立て
 導入部が単なるタイトルの繰り返し説明としないこと
 なぜタイトル通りと言えるのか、そういえるまでの背景、状況、理由説明を以下の通り付け加える
(1)なぜ、「このテーマ」を設けたのか?
 テーマが生まれたそもそもの背景、いきさつと目的を述べ、必然性を高めておく
(2)なぜ、「この反応(作業)」をとらねばならないのか?
 依頼文である場合、(作業を)依頼される側のメリット、デメリットを明確にし納得感を高めておくこと
(3)なぜ、「この書き手」なのか?
 例えば、なぜ上司でなく担当がこのような指示、連絡文を送付しているのか?という理由を解決しておく
(4)なぜ、「この読み手」なのか?
 例えば、なぜ上司でなく担当がこのような依頼文を受け取らないといけないのか?という理由を解決しておく
(5)テーマの答え(本論)について理解するのに事前に把握しておくべきことはないか?
 答え(本論)の位置づけ(どういうものでどんなことに使われるのか?など)や関連情報(答えの理由となるほかの情報源など)を示す

3.メッセージの日本語表現
(1)具体的に表現すること
 ①「中身」をあいまいにしない
  一般的な言葉(ライフスタイル、ニーズなど)で思考停止しないで、具体的に述べること
 ②「アクション」をあいまいにしない
  一般的な言葉(徹底する、活用するなど)で思考停止しないで、具体的に(誰が何を行うのか)述べること
 ③「付帯条件」をあいまいにしない
  一般的な言葉(原則、場合によっては、条件によってはなど)で思考停止しないで、具体的に(「○○以上となった場合」といった定量表現)述べること
 ④「理由」をあいまいにしない
  判断した理由そのものの説明を具体的に述べること
 ⑤「体言止め」に注意する
  議題のタイトルには良いが、具体性(誰が何をどの程度、どうやって)が欠落しやすい
  誤解が起きないように説明する方が重要であり、無理やり短くしようとしない
 ⑥否定形で終わる表現に注意する
  否定文で説明している場合、その逆(肯定文)の説明が足りないかどうかも検討する
(2)論理的(MECE)に表現すること
 ①並列して示した項目のレベルをそろえる
 ②切り口が異なる場合、接続詞による羅列でなく切り口毎に説明する文章を分ける
 ③問いと答えを合致させる
  タイトルが問い(「〜とは」)の表現となっている場合、その説明の文頭で答え(「〜は、○○である」と述べること
 ④箇条書きの前文では(「以下のように」で安易に片付けず、全体のエッセンスを述べること
  「(例えば)以下の4つである」だけにすると、4つ読まないことには全体が理解できない
  箇条書き項目のエッセンスを最初に言い切れば、それだけ読んでも概略が理解できる
 ⑤接続詞は使っても良いが、説明の力点がボケないようにする
  「AしかしB」ならBが主眼、「AただしB」ならAが主眼であることを意識して文章を組み立てること
(3)簡潔に表現すること
 ①文の作りは主語+述語のシンプルな構造が理想
  主語や述語がいくつも続くような文は分割して表現できないか検討すること
 ②「〜により」は1文に1回のみ
  「〜により」を1文中に多用すると、原因と結果、因果関係がボケた文章となる
 ③「れる」「られる」といった助動詞を多用しない
  どちらを主体とすべきかを意識し、力点をおきたい立場が能動態で示した文章にする

4.ジャーゴン(jargon)
 ある業界や企業の中でのみ通じる特殊用語
 →仲間内には便利だが、新メンバや取引先で用いるときは留意が必要