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ウソっ!プロジェクト納期を半減?―『クリティカルチェーン』のアンチョコ マーク・J・ウォッペル(ラッセル社)

1.「クリティカルチェーン」の読み方
(1)プロジェクトの問題
 ほとんど全てのプロジェクトは当初の計画通りに完了しないこと
(2)プロジェクト管理の2つの考え方
 ①コストワールド
  お金を節約する事を重視する考え方
 ②スループットワールド
  お金を儲ける事を重視する考え方
(3)タスクの着手タイミング
 ①タスクの着手タイミングが早過ぎると後戻りのリスクが増えてしまう
 ②クリティカルパスは、先行しなくてよい同パス上にないタスクを見つけるために作る
 ③50%程度の達成確率(頑張ればなんとかできる目標)でスケジュールしてタスクに着手する
(4)パレートの法則の成立条件
 各項目が独立していること
 (項目間で相互依存があると重要な20%以外の項目の中で重要な問題が発生することがある)
(5)TOCによる集中個所
 クリティカルチェーンの中で一番鎖の弱い所へ改善を集中し、それを繰り替えす(一番弱い個所はその都度変わるため)
(6)プロジェクト時間
 ①意図された水増し
  担当者の見積りは安全かつ保守的なため、意図的に水増しされる
 ②学生症候群
  見積りに組み込み済みの安全時間(バッファ)を当てにして、タスクの着手が遅れる(ぐずぐず先延ばし)
 ③2つのマーフィー
  日常的に発生する通常の統計的変動と特別な原因による変動
 ④悪いマルチタスキング
  タスクの途中で別のタスクを開始することにより効率が落ちる
 ⑤パーキンソンの法則
  予定時間より早くタスクが完了しても完了時期が来るまで作業は継続される
(7)クリティカルチェーン・ソリューションの展開
 ①ワークフローの中でボトルネックとなっているタスクを見つけ出し、そこにバネ(バッファ)を考える
 ②バネの長さは通常そのタスクの生産リードタイムの半分とする
 ③個々のタスクのバネはプロジェクトバッファとしてクリティカルパスの最後にまとめて設定する
 ④合流バッファ(クリティカルパスへ合流するポイントに置くバッファ)を考慮する
 ⑤資源バッファ(担当要員が別作業のため手がつけられないことを見込んで設定するバッファ)を考慮する

2.「クリティカルチェーン」の3つのルール
(1)パイプライニング
 プロジェクトをパイプラインとして分割して捉え直し、パイプライン毎に開始時期をコントロールする
(2)バッファを置く
 真の生産リードタイムの50%をバッファとする
(3)バッファを管理する
 タスクの優先順にバッファの消費状況を監視する