Smily Books Blog 2023年7月更新中

静かなリーダーシップ ジョセフ・L・バダラッコ(翔泳社)

1.序章
(1)一般に偉大な人物が果たす役割は、皆が思っているほど大きくない。
 それ以外の「人目につかない小さな行いの積み重ね」を行っている人物の方が偉大である。(シュバイツァーの自伝より)
(2)真に厄介な問題は日常の目立たない出来事の中にあり、それは目立たない形で日々解決されていく。
③日常的で退屈な仕事であるが故に実は複雑で厄介な問題や、曖昧で重要な問題が発生しやすい。これは実はどんな仕事にも些細な事などない事を意味する。

2.現実を直視する
(1)一見単純な問題が、実は複雑で危険であることが多いのが現実である。
 静かなリーダーはそういった意味で現実主義者であるため、どんな些細な事にも慎重に 行動する。
(2)静かなリーダがメンバに仕事を依頼する時、メンバに対しても現実的に対応する。
 全く信頼しないわけではなく、かといって過大評価もしない。
(3)静かなリーダがトラブルに巻き込まれたとき、直接的で強力なアプローチにより解決す る手段はとらない。深刻な問題もあくまで段階的に対処する。
(4)ガイドラインとなる4原則
 ①全てを知る事はできない(自分自身の理解を過大評価しないこと)
 ②予想外の事態発生を前提とすること(計画に頼っても良いが、計画を信頼しない事)
 ③インサイダー(内部事情通)は常にマークすること
 ④信頼しても切り札は残しておくこと

3.行動はさまざまな動機に基づく
(1)自分自身も含めてさまざまな動機がメンバにあることを理解する。
 それを一つの共通目的に集約させる事が重要。
(2)共通目的として世界を救うというような大きな目的は掲げない。
(3)複雑な動機をそれぞれあるがままに認識し、最終的には自分の動機を信じること。
(4)倫理的な問題が降りかかった場合、それが自分にとって本当に重要な問題かどうか考え る事。

4.時間を稼ぐ
(1)難問に直面してもすぐに答えは出さず、戦略的に時間を稼ぐ方法をまず考える。
(2)時には規則を曲げて報告してでも時間を稼ぐ。

5.賢く影響力を活用する
(1)意思決定をする場合、その影響が自分にとって最も効果的なタイミングで行使する。
(2)意思決定をする前に、その後のリスクと報酬を考える。
(3)意思決定や行動は加減しながら、常にリスクを最小とする。

6.具体的に考える
(1)物事が複雑でも、責任を曖昧にしない。

7.規則を曲げる
(1)規則の解釈の余地を分析し、規則の目的を達成する手段を創造性を発揮して探す。

8.少しずつ徐々に行動範囲を広げる
(1)未知の難題には規則の解釈の余地を分析し、規則の目的を達成する手段を創造性を発揮

9.妥協策を考える
(1)多くの場合、妥協を考える事が、目的を達成する最善の方法である。
(2)本当に二者択一しかないかどうか分析する。

10.三つの静かな特徴
(1)自制、謙遜、粘り強さ