Smily Blog

「すまいりマンスリー」から引っ越しました。

Smily Books Blog 2017年8月更新中

問題発見プロフェッショナル 斎藤嘉則(ダイヤモンド社)

1.問題発見能力
(1)的確な問題設定により解決策の精度が向上する
・正確な「現状認識」と正確な「理想」を捉える力
・上記ギャップを把握する力が、問題発見能力となる
・まず「あるべき姿」のビジョンを構想し、
 そこに向かうための具体的な戦略(=問題設定)を明確にする事が重要

①間違った情報
 個人的意見、信頼性の低い資料など。観察事項そのものが誤った情報となる場合
②隠れた前提
 一般ルール自体あるいはその適用方法が間違っている(ルールとケースのミスマッチ)場合
 演繹法(観察事項から一般ルールを用いて結論を導く)にて一般ルールが言及されず、それ自体誤解された形で適用される

(2)戦略的問題発見に必要な4つのスキル
①観察力:事実を元に現状を客観的かつ正確に認識・把握する力
②判断力:主観も含め選択・判断・決定する力
③分解力:具体的レベルにまで論理的に分解・分析する力
④統合力:限られた現状認識・把握から全体像を組み立て、構造化・構想する力

※リーダに特に必要なのは②と④

2.問題発見構想力
(1)「あるべき姿」を構想し、問題を発見するために4つのP
①Purpose(目的軸)
②Position(立場軸)
③Perspective(空間軸)
④Period(時間軸)

(2)空間軸の重要性
問題解決の全体集合を捉える(問題を俯瞰で捉える)。スコープとも言える。
枠組みの広がりや切り口の角度により問題が大きく変化することを認識する事。
目的の抽象度や視点を上げてみる事。
モレやバイアスが生じないように思考空間の枠組みを広く取っておく事。
真の目的を追求する(深さ)だけでなく、視点を変える(拡がり)も必要。
目的達成(問題解決)までのアプローチを良い方向に変える事にも繋がる。

(3)「拡がり」「深さ」「重さ」
「拡がり」の中から「ギャップ」を生み出す問題点の範囲を決めてから、
問題点を構造的、具体的に「深さ」をもって分解していく。
その中からどれが「重さ」があるか評価し、選択と優先順位を決断する。

3.問題発見分析
(1)+/-差異分析
弱点、問題点(-)だけでなく利点、良い点(+)のギャップも合わせてモレなく分析する。

(2)オペレーションプロセス分析
オペレーションの各部分について、コストや時間を測定し、
ベストプラクティス(仮説でも良い)と比較する。

(3)コスト分析
顧客の視点からコストを正当化できるかどうか分析する。
顧客から見てコスト高な場合、コストダウンまたは価値を高めるか何れかの選択を取る。

(4)バリュー分析(期待度と満足度で価値を評価する)
①CS(顧客満足度)/CE(顧客期待度)分析により評価する。
②CEを横軸、CSを縦軸に取り、4つのタイプで分析する。
③CE高&CS低の商品・サービスは大至急改善が必要。
④CE(会社から見た期待度)低&CS(会社に対する満足度)高の社員は
 高コスト社員のため要注意。
⑤CE(会社から見た期待度)高&CS(会社に対する満足度)低の社員は
 より高いレベルの会社に転職の可能性有り。

(5)コーザビリティ分析
①悪循環のサイクルから解決すべき真の原因を特定する。
 サイクル上にある原因は表面的な場合があるため、ロジックツリー等で真の原因を特定する事。
②良循環ののサイクルを参考にし、現状とのギャップを分析する。
 まずは現状(=悪循環)の行動を全部裏返して表現してチェックしてみる。

(6)相関分析
①相関関係から因果関係を特定する。
 相関のある項目の中から真の原因を見つけ、因果関係(原因と結果の関係)を特定する。

(7)シェア分析
①市場に対する自社のカバー率
②カバーしている商品が他社とバッティングした場合の勝率
・①②どちらを重視するか検討できる。
 新規開拓が必要ならば、①、他社からのリプレイスは②となる。
・カバー率50%のうち無競争10%(不戦勝)、残り40%が競合しており勝率55%の場合、
 10+0.4×55=32%が当社のシェア率となる。
 カバーしていない残り50%は競合すらしていないため、不戦敗とも言える。

(8)感度分析
①リスクや問題点への影響の大きさ(振れ幅)を定量的に測定する
例えば、営業利益改善に一番インパクトのある指標が以下のうちのどれか測定する。
 価格を1%改善→営業利益11%改善
 変動費を1%改善→営業利益8%改善
 販売量を1%改善→営業利益4%改善
 固定費を1%改善→営業利益3%改善
 →この場合、価格改善が一番インパクトがあると言える。
②振れ幅を一定にするのでなく、変動要因別に設定すると信頼性が高まる
 理論上ありえない値の10%(両極端それぞれ)除いた80%の確率幅で考える。
例えば、以下のように設定する。
 製品価格下落率のベース:30%、振れ幅:10-50
 マーケットシェアのベース:15%、振れ幅:5-40
 初期価格のベース:16万円、振れ幅:13-20

(9)パレート分析(20-80ルール)
分析した後の扱いが重要
①20%の高貢献度群をどのように維持するか
②80%の低貢献度群をどのように改善するか
③80%の低貢献度群のうちどれだけ整理するか

※③における注意点
組織の「ワンネス」
働きアリ(ハイ20%、ミドル50%、ロー30%)のうち、ローパフォーマー30%を取り除いても
残りのアリの構成比は再度同じ(2:5:3)に落ち着いてしまう。

(10)ポートフォリオ分析
・GEのポートフォリオ管理マトリクス
 ボストンコンサルティング版(問題児、花形、負け犬、金のなる木)を精度向上させたマトリクス
①自社の強さ(小、中、大)をX軸
②業界の魅力度(小、中、大)をY軸
とし、
①小②小:損失最小撤退
①中②小:選択的収穫
①大②小:収益最大/コスト最小
①小②中:選択撤退
①中②中:現状即応
①大②中:利益最大
①小②大:選択成長投資
①中②大:成長投資
①大②大:優位死守
として、業界ナンバーワンツー事業のみ集中し、他は撤退する。

(11)VC(ベンチャーキャピタル)の投資案件評価軸
①規模・成長率でまずは足切り
・今後5〜10年間で市場規模500億円とならない事業はDランク
・初期投資50億円を超える案件はDランク
②戦略的価値でABCランク分け
・3つのC(市場・競合・自社)による把握
コア・コンピタンスの有無
・収益性
③(ビジネスプランの)具体性・実現可能性のチェック
・ビジネスシステム
・競争優位性を確立するキー・レバー
・数値目標との関連性
④(経営陣の)マネジメント能力

(12)ピーク分析
①ピーク時に資源を集中すべき場合
②ピークを分散・平準化すべき場合

(13)リスク・期待値分析
①リスクや成果の発生メカニズムがわかっている場合
影響因子を見つけ、コントロールすればリスク低減もしくは成果を上げられる
②リスクプレミアム
例えば、変動所得と確定所得の比較で考える
・50%の確率で年収1000万円、残り50%の確率で年収0
・100%の確率で年収500万円
必ず後者を選択
・100%の確率で年収500万円→480万円でも多くはこちらを選択する
このときの差額20万円がリスクプレミアム

4.問題発見リーダシップ
(1)個人ワークとグループワークのバランス
①個人としては普通だがグループとしては問題解決が優秀となる場合
②個人それぞれが卓越したプロブレム・ソルバーにもかからわず、
 グループとしてまとまると「調整作用」が働き、
 平均的な内容に切れ味のない戦略プランとなってしまう場合
(2)あるべき姿を構想することと現実を見つめるバランス
・「あるべき姿」を偏向した空想の世界、机上の空論にしない
(3)仮説思考と思い込み、ゼロベース思考と無知は異なる
・客観性やフェアな視点で把握するために思考する前に分析しておくこと
(4)「あるべき姿の構想」と「現実直視」のバランス
・構想力と分析力は常に両輪としてバランスしていくことが重要

Remove all ads