Smily Books Blog 2023年7月更新中

絞死刑(1968)と新宿泥棒日記(1969)

大島渚の映画を以前これまたCATVで観たのでそれについて。。
彼の作品はタブーというか、「それを映画にしちゃうとちょっとヤバいんでないの」みたいなのを敢えて取り上げて作ってるような感じで。。同時期にたぶん一般的には流行ってた石原裕次郎とか加山雄三なんて人が出るような映画は作ろうはずもなく。。。。

「絞死刑」は出だしがおもしろかった。処刑場とその処刑プロセスについてドキュメントタッチで大島本人が
ナレーションしているのが妙な緊迫感があって、はらはらします。
セットなんだろうけど、処刑場のシーンも妙にリアルに見えたりして。
逆にそれ以降はどんどん退屈になってしまった。
「RはRである事に気づく」とか「RはRであるがゆえにRであることを否定する」みたいな言い回しの手書きメモをやたらアップに写したりして、なんだか説教くさい。映画なんだから映像で表現してよみたいな。なんで人名なのに最後までRなのみたいな。少年Aみたいな感じで実名を伏せてるって感じが多少リアルに感じられないでもないけどね。
話のネタとして面白いのは要は首吊りの死刑執行したのに失敗して生き返ったらどうするの?って所で、執行されたのだからもう生きててもOKなのか、やっぱり生きてちゃ困る?から再執行するのかってので延々と寸劇を続けるっていう話。
小松方正が偉そうな検察官役なんだけど、妙に怖いです。
クールに死刑再?執行のボタン押しちゃうんじゃないかとその1点のみで最後まで引っ張られました。

「新宿泥棒日記」はなんとも実験的な映画でちょっと、、、
特にストーリーらしいものはなく、主役の二人が心理学者のお宅訪問で、
心理学チェックを受けたり、野外テント(唐十郎繋がり?)の寸劇に突然参加したりしていろんな体験をしていくという話。
横尾忠則が男の主役なんだけど、この人昔役者だったのみたいな。。当然演技はヘタでした。
良かったのは唐十郎。この頃から強烈な個性炸裂してました。
しかし、突然ヘタなギターで歌うのはやめて欲しかった(^^;;
寺山修二の映画もよくやるんだけど、突然歌いだすシーンが結構あります。
当人はシュールな感じを出す意図なのかもしれませんが、あれはどれもNGですねぇ。こればっかりは音楽的に良くないとやっぱりついてけないです。
もう一人の主役横山リエは良かった。今はどこで何をしていることやら。
横尾忠則が万引きを繰り返す紀伊国屋書店の社長(本物?)も出演していて、セリフは棒読みだし、あまりの演技のヘタさには耐え切れなくなってしまいました。
最後まで観れたのは横山リエの怪しげな魅力があったからかなぁ。

大島渚もいろいろ観たけどやっぱり「愛のコリーダ」でしょうか。
最後にチョキン、そしてコロンって転がるのが凄いよね。まさか本物じゃないよね?みたいな。
「御法度」もただの時代劇じゃなくてちょっとヤバいお話だし。でもこれは松田優作息子が良かったです。
「戦メリ」はあらすじもすっかり忘れてしまった。
今観たらビートたけしが出てるだけでNGかもしれないなぁ。