「出世」のメカニズム―「ジフ構造」で読む競争社会 (講談社選書メチエ) 日置 弘一郎(講談社選書メチエ)
1.ジフ分布
1位は2位の倍、3位以下は指数関数的に少なくなる分布であり、人の能力もジフ分布で説明できる
(1)2項分布とジフ分布の違い
①各事象が完全に独立(全て偶然の産物)の場合、2項分布となるが、世の中の出来事はそうでない場合が多い
②現実は、過去の事象を元に現在行う事を意図的に決定している
(2)ジフ分布における2つのフィードバック
①正のフィードバック
過去の事象に対してより変化を大きくする
②負のフィードバック
過去の事象に対してより変化を抑制する
(3)出る杭は打たれる
①集団行動において通常は同調、足の引っ張り合い(負のフィードバック)が続く
②ただし、ずっと出ないままの杭は腐っていく(能力の発揮機会がいつまでも与えられないとやる気を失う)
③組織では定期的な配置転換により杭が腐るのを防止している
(4)出過ぎた杭は打たれない
集団行動において偶然から生まれるほんの少しの違いが増幅されていくとある段階で例外も認められる(正のフィードバック)