アラン・ケイ アラン・C. ケイ(アスキーブックス)
2001年8月6日にビューポインツ・リサーチ・インスティチュート社という NPOを設立。社長。専務理事はキム・ローズさん。子供達のためのよりよく考える教育、高い文化環境、コンピューティング環境、そしてそのためのSqueakの 開発を進めることを目的とするNPOである。これに共感する人たちの輪をつな いで行く。
彼は元プロのジャズギタリスト、作曲家、劇場設計者であり、現在はアマチュアの古典パイプオルガン奏者である。彼の周りにはいつも音楽がある。
彼の有名な言葉に、「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことにある」というのがある。
ケイは今回の来日でも、未来を発明する際、「新しいものの見方」がいかに大切かを熱っぽく語った。
ケイのもうひとつの有名な言葉に、Point of view is worth 80 IQ points.(ものの見方はIQ80ポイント分に匹敵する)
というのがある。
「単に賢いだけでは、なにもなし遂げられない」、ということだ。知能が高くても、「普通の考え方」をしている限り、普通のことしか思いつかないからだめなんだ、と。
そして大人になるということは、ケイに言わせれば、普通に考える癖をつけてしまうことだ。
そのプロセスは、学校に入るところから既に始まっている。
「アンラーニング」という言葉を取材で聞いたことがある。
博報堂生活総研の関沢英彦氏が、概念を外部化するためのうまい言葉、つまり感性に訴える力強い言葉を思いつくには、「勉強し過ぎ」を直さなくてはいけないと話していた。
優等生ほどまわりくどくて月並みな表現になってしまいがちなのだという。これだと聞く人の耳には残らない。あえて自分がいままでそうだと思って来たこと、教わって来たこと、信じて来たことをとりあえずご破算にして、頭を子供の頃の状態に戻してしまうと、前例や自分の思考の癖に縛られない発想ができ、新たなオプションも生まれるということだ。