SEを極める最強仕事術 日経ITプロフェッショナル(日経BPムック)
1.タイムマネジメントの技術
(1)タイムマネジメントの第一歩(計画)
・自分が行っているタスクを全て漏れなく書き出してみる
・日次/週次/月次、定期的/不定期、1回のみ/繰り返しで分け、重要度/緊急度や無駄なタスクを把握する
・仕事だけでなくプライベートの用事も漏れなく書き出す
・書き出したタスクの所要時間を見積もり、優先順位を決めてスケジュール化する
・長期の仕事はゴール(最終締切日)だけでなく、事前準備締め切りもスケジュール化する
(2)実行
・実行する前に締め切り時間を宣言してから着手する
・仕事を15分単位で全て時間計測し、見積もりと違ったら改善していく
・書き出したタスクの所要時間を見積もり、優先順位を決めてスケジュール化する
(3)PSP(Personal Software Process)
カーネギーメロン大学SEIで考案。CMMの個人版。一人でプロセス改善するのが目的。
①タスク毎に所要時間を分単位で計測記録
②タスクの開始条件(事前準備)、終了条件を必ず決めておく
③予定と実績を事後分析し、自己改善する
(4)優先順位付け
嫌い/難しい/不慣れな作業から着手する
(5)継続させるコツ
グループでタイムマネジメント(グループスケジュール)
2.コーチングとEQ
(1)コーチングする際の人のタイプ分け
①コントローラー(対応:全面的に任せる)
自分の思い通りに物事を進めたがる。他人からの指示を嫌う傾向が強い
・質問 :目的を伝えてから単刀直入に
・認める:行動結果をタイミングよくシンプルにほめる
・提案 :簡潔、ストレートに要求する
②プロモーター(対応:長所をほめる)
自分のアイデアを大切にするが、飽きっぽいので一つの事を継続するのが苦手
・質問 :できるだけオープンな質問
・認める:アイデアを数多くほめる
・提案 :細かい指示はせず、タイミングよく
③サポーター(対応:手助けをお願いする)
人の役に立つ事を好み、人の期待に答えようという欲求も強い
・質問 :安心して答えられる環境/状況を作る
・認める:メールを通して気配りをほめる
・提案 :許容量範囲かどうか逐次確認しながらお願いする
④アナライザー(対応:理由を説明する)
行動する前に分析したり計画を立てる事を好む
・質問 :具体的な質問を余裕のあるときに
・認める:戦略、計画性を具体的にほめる
・提案 :詳細かつ具体的に指示した以降は邪魔をしない
※聴く:タイプ別の使い分けは不要(傾聴が基本)
(2)EQの4つの要素
①感情の識別
相手の感情を識別する
②感情の利用
自分の感情を現在ふさわしい状態に持っていく
③感情の理解
相手の感情の原因を理解し、今後を推測する
④感情の調整
自分の感情を調整した上で相手の感情に働きかける
(3)感情や行動のクセ
①心内知性
自己認識力(自己の感情を認識する力)
ストレス共生(ストレスをコントロールする力)
気力創出力(前向きな精神状態を作り出す力)
②対人関係知性
自己表現力
アサーション(自己の不満/怒りを適切な表現で伝える力)
③状況判断知性
対人受容力(相手の感情を理解し、受け入れる力)
(4)EQ向上のための行動例
・明るい言葉を使って話す
・シックスセカンズ(感情が高ぶった時は、6秒間沈黙してみる)
3.「交渉力」を身に付ける
(1)OG(Opinion Gap):両者の対立点を明確化する
①アイスブレイク 話しやすい雰囲気を作る
②プレゼン 自分の主張をプレゼンする
③アクセプト 相手の意見を傾聴する
(2)CM(Core Mission):共通課題を発見し合意する
①ヒアリング 解決策をヒアリングする(質問と傾聴を並行して進める)
②共通課題明確化 共通課題を整理し、両者で合意する
③課題解決協力依頼 相手に協力を約束させる
(3)SL(Solution List):複数の解決策をリストアップする
①発想を出し合う 相手の意見を利用しアイデアを発展させる(ブレイクスルー)
②リストアップ アイデアを解決策としてまとめあげる
(4)IWP(Integrated Winning Process):最終的な解決策を作り、主張を統合する
①検討絞込み 価格、納期といった調整を含め相手のメリットを強調して解決策を絞り込む
②相手の不安解消 最終決定の前に相手の不安を聞きだし、1つずつ説明により解消する(プッシュ・ザ・バック)
③交渉の締め括り 決定事項の再確認と今後の予定を決める