5日で身につく「伝える技術」(プレゼンテーション) 西野 浩輝(東洋経済新報社)
1.「伝える技術」の基本
(1)3つの勘違い
①口下手でもじっくり話せばわかる
→重要人物ほど忙しいから、じっくり聴く時間はない(エレベータートークの必要性)
②話し上手よりも聞き上手が好まれる
→相手は話した後、それに対する答えを待っている(聞き上手かつ話し上手でないと意味がない)
③話し上手は生まれつき
→大勢の前でプレゼンするのは誰でも最初は初心者(話し上手は後天的に身につけるもの)
(2)客観的な振り返りの重要さ
フィリップ・コトラーが講演(数百万/日)した後、「Any feedback?」
(私のために何か改善のアドバイスをくれないか?)と第三者にレビューを求めている
(3)基本要素は以下の3つ
①コンテンツ
②ストラクチャー
③デリバリースキル(表現技術)
2.コンテンツ
(1)事例・具体例を入れる
(2)たとえ・比喩を入れる
(3)数値・データを盛り込む
(4)対比で際立たせる
(5)「お墨付き」で話に箔を付ける
(6)聞き手によって話し方を変える
①知識が高く、ニーズも高い
特に問題なし
②知識は低いが、ニーズが高い
結論明瞭、簡潔、メリット強調
③知識は高いが、ニーズが低い
意外な情報、失敗例をあげてニーズを高めてもらう
④知識もニーズも低い
メリットを具体的に丁寧に説明し、まずはニーズを高めてもらう
(7)情報過多にならない(限られた時間で重要なことを何度もわかりやすく表現を変えて伝える)
→プレゼンテーションは実施した時点で目的達成ではなく、
その後聞き手の記憶に残り、心を動かし行動に移させる所までが最終目的のため
3.ストラクチャー
(1)イントロダクション
①テーマとアウトライン/タイムテーブルを伝える
②関心を惹くような質問/データ/エピソード/課題を示す(その後のメインメッセージへ繋げるための促進剤)
(2)ボディパート
①メインメッセージ(伝えたい事を一言でいう)
テーマ(〜についてお話します)とメッセージ(〜は〜する事で達成できます)は異なるため要注意
メッセージには話の方向性/主張がないといけない(テーマはその領域を示しているだけ)
②サブパート
①を3つに分けて説明する(顧客/自社/競合、目標/課題/解決策など)
(3)エンディング
(2)の内容を具体化、たとえ等でおさらいし、相手が内容をイメージしやすくなるように伝える(新しいメッセージは不要)
4.わかりやすくするためのテクニック
(1)順序だて
①予告から本論に入る
「これからポイントを3つ説明します。まず1つめのポイントは、、」
「私はこの件について○○の立場から意見を申し上げます」
「これからお話しすることは非常に重要です。それは、、」
②結論から先に述べ、その後根拠、その詳細を述べる
「まず結論から申し上げると、、」
③まず全体説明し、その後部分説明する(そのとき折に触れ、全体像との関係も示す)
「ここは全体でいうと○○にあたる部分です」
(2)整理・分類
事実と意見/推測を分けて話す
(3)適切な言葉の選択
メッセージを包括し、短い言葉で誰もがわかる言葉を見つけ、伝える
「つまりは○○ということになります」
5.デリバリースキル(表現技術)
(1)姿勢を良くする
天井からつるされている自分を想像する
(2)身振り手振り
やり過ぎと思うくらいで丁度よい(大きく、ゆっくり、いろんなパターンで行う)
(3)アイコンタクト
大勢の聴衆の場合でも、一人ひとりと1〜3秒目線を交わす(少人数相手の場合は少し減らしてもよい)
(4)表情
必ず笑顔で話す
(プレゼン内容自体が簡潔で短い言葉=ちょっとキツい感じとなるため、それを緩和させる必要がある)
(5)間のとり方
①1の間
文節と文節の間は1秒空ける
②2の間
段落と段落の間は2秒空ける(サブパート単位)
③3の間
質問をした後は3秒空ける
6.トレーニング方法
(1)日々のコミュニケーションをプレゼンの場だと思いトレーニングする