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個の主体性尊重のマネジメント 馬場 杉夫(白桃書房)

1.新しい日本型経営に向けた課題
(1)仮説1:年功評価は会社依存度を高める
 個人貢献が高く評価されなければ、ほどほどの職務遂行を行う事になり、
 それが専門能力の欠如に繋がり、結果的にその会社でしか働けなくなる
(2)仮説2:権限委譲が行われないと会社依存度を高める
 権限が個でなく組織に委譲されることにより、関係のある個人それぞれが無目的となり、
 結果的にその会社でしか働けなくなる 
(3)仮説3:会社依存度が高まると理念が浸透しない
 会社依存度が増すと自分で考えられなくなり、理念を深く理解できなくなる
(4)仮説4:会社依存度が高まると革新的な変革への抵抗が増す
 会社依存度が増すと抜本的変革についていけなくなり、
 それに対して抵抗することしかできなくなる

2.「去るもの追わず」型の雇用保障
(1)長期雇用慣行に関する肯定的見解
 企業の社会的責任から
 優秀な人材の競合他社への流出防止
 計画的な能力開発/人材ローテーションによるコアコンピテンスの確立
(2)長期雇用慣行に関する否定的見解
 中高年人件費のコスト増(余剰人員未整理)
 市場全体で見た適材適所の閉塞
 転職の機会損失、大企業の人材抱え込み
(3)「囲い込み」から「去るものは追わず」(ただし雇用は保障する)型の雇用が個を尊重させる

3.個の主体性を尊重したマネジメント
(1)インセンティブとなる評価とフィードバック
 ①異質性を認める評価
 ②主体性を促す失敗の寛容(敗者復活の機会充実)
 ③評価結果の説明(フィードバック)