利益を生み出すビジネス手法と事例 小玉 充晴(日経BP企画)
1.情報化時代のMOTの本質
(1)ビジネスの原点
"技術開発"より先に"儲かる仕掛けの開発"に知恵を出すこと
2."利益"を生むビジネスへの工夫
(1)ビジネス化のステップ
①素人の他人にアイデアをわかりやすくPRし、そのアイデア(技術)を使ってく
れる人と「利益を山分け」するように考える
→まず相手に儲けてもらい、あとから自分も儲けに預かるというスタンス
②新技術は既存の利権勢力との争いを生むため、技術は1流でも2流でもなく「1.8
流」ぐらいのところで工夫すると一番儲かる
③スモールスタートを基本としてコアユーザを早く立ち上げる
(2)ビジネス化のプランニングのコツ
①金のあるところの隠れたニーズを探し出し、換金法を考え出すこと
②規制緩和に挑戦してはいけない(変化を嫌がる人々を説得して理解してもらお
うとすること自体間違っている)
→元々変化に対応することが不可能な人が変化を嫌がっていると心得ること
③「まずやってみる」のでなく「まず調べてみる」こと
→情報収集するためのアクションプランとその情報分析に時間をかけること(
週1、2回のアクションプラン検討がビジネスの基礎)
(3)特許の上手な利用法
①企業間で共有できる仕組みを作る(特許料収集代行、特許利用するまでの支援)
②申請時は実施例を多く盛り込んでおく(特許紛争となった場合の事前策)
3."人"を活用するマネジメント
(1)上手な業績評価の方法
①1人のハイパフォーマを褒賞するより、大きなチームとしての評価すること
がチーム力を高める
②日々の地道な努力を記録する"行動事実日誌"を導入し、ハレーション効果(見
てくれだけの評価)防止できる
(2)職場を良くする企画部門のコツ
①「知らず知らずやってしまっている」という社員の誘導が理想、「アメとム
チ」は下策
②足(フェース・トゥ・フェース)で情報を集め、自発的行動ができるための誘
導方法を考える
③守るべきルールの管理業務を派遣女性社員に任せると、組織全体が気持ちよ
く自然に守られる
④トップの指示を実行するだけの茶坊主になるのでなく、必要な仕事をどんな
体制で行うか知恵を出す
(3)大企業病診断リスト
①丸投げ病(自己責任回避、何事も他人任せ)
②評論家病(指摘はするが解決行動はしない)
③失語症(会議の席で発言しない)
④自閉症(新しい仕事は拒否、進捗報告しない)
⑤ゴマスリ病(上司の期限伺い、自分の意思なし)
⑥肥満病(コスト意識なし)
⑦ツレション病(ユーザ折衝に1人で対応できない)
⑧夜光虫病(やみくもな深夜残業)
⑨整理不順(やりっぱなし、突発的な整理のみ)
⑩パソコン信仰病(意味もなくワープロ化)
⑪読書中病(一日中新聞、雑誌閲覧)
⑫近視眼病(自分の周りのみ担当、別担当のトラブル感知せず)
⑬小言病(指示が細か過ぎでさらに症状悪化)
⑭惑乱病(資料整理なし、資料探しも仕事のうち)
⑮無気力病(上司の意見鵜呑み、自分の意見進言せず)
⑯過去妄想病(「昔はあーだった」と言うが自分はできない)
4.人物評価とその利用法
(1)STAR(Situation Theme Action Result)
過去のどういう状況下(S)でどんな行動テーマ(T)を見つけて、具体的にどう行
動(A)して、結果(R)はどうなったかの情報を元に将来行動を予測する方法
→以下の状況をヒアリングする
①仕事習慣:仕事が期日に間に合わなかった時
②ストレス/耐性:あなあた上司に反発を感じた時
③イニシアティブ:あなたが自発的に行った仕事
5.営業心理学の活用
(1)BMW理論
①Body Language(姿勢、身振り/手振り、服装、態度、表情)
②Mood(喜怒哀楽、価値観、信念、思考)
③Words(話し方)
(2)ペーシング(pacing)の考え方
相手の考え方、感情、態度に合わせること
共通点を探し出すこと
自分が話したいという欲望は抑えること
①ミラーリング(mirroring)
相手と同じ態度、動作でリズムを合わせる
②チューニング(tuning)
感情、思考方法など心の周波数を合わせる
③マッチング(matching)
話し方のスピード、トーン、口調を合わせる
(3)バックトラッキング
相手の話を繰り返して話をまとめる
(4)パラフレージング
聞いている事を別の言葉で言い換える
(5)ジョハリの窓の「開かれた窓」を広げる
①開かれた窓
相手は自分の事を知っている&自分の事を自分は知っている
②気づかない窓
相手は自分の事を知っている&自分の事を自分は知らない
③隠された窓
相手は自分の事を知らない&自分の事を自分は知っている
④暗い窓
相手は自分の事を知らない&自分の事を自分は知らない
6.ネットビジネス成功のポイント
(1)身の持ち崩し方の研究とP&G(Pink&Gamble)(○、バクチ、道楽」の順)
→わざわざネットにアクセスして何をしたいか?の検討がポイント
(2)購買行動は左右の脳がともにOKを出すような仕組みが重要
①左脳(論理):インターネットによる刺激
②右脳(情動):電話による刺激
③両脳 :eメールによる刺激