Smily Books Blog 2023年7月更新中

問題を整理し、分析する技術 日本能率協会コンサルティング(日本能率協会マネジメントセンター)

1.問題解決の整理&分析
(1)考え方
・問題とは「あるべき基準と実際の差異」
・ビジネス上の問題は「重要性」と「緊急性」により時間的制約条件があり、
 「時間切れの意思決定」の連続である
・問題のタイプ
 ①発生型問題
  今まさに発生している問題
 ②設定型問題
  あるべき基準設定によりそれを達成していく問題(課題とも言う)
 ③将来型問題
  将来発生する可能性のある問題
・問題分析のプロセス
 ①仮説検証
  やみくもに問題分析を行っても良い成果は早く得られない
  仮説をたてることにより「当たりをつける」(着眼力)ことが重要
  着眼力は様々な分析手法から身につける
 ②説得
  仮説に対して自分だけ納得してもはじまらない
  組織として意思決定できる説得材料を揃え、関連者間の合意形成が必要
 ③意思決定
  組織的な意思決定手続きをすすめる
・整理・分析のプロセスは「広げる」と「絞る」の繰り返し
 キーワードは「場合分け」「数値化」「順位づけ」
 手法は「分解型」「クロス型(表形式で集計)」
・問題分析後のプロセス
 ①対策立案
  有効性(問題解決に対する効果)と実現可能性(解決策が実施可能かどうか)を重視して立案
 ②スケジュール化
  対策の手順とタイミングを決定する(問題の緊急性を考慮)
  合わせて実施する担当者と責任の明確化が必要
 ③進捗管理
  目標達成度で進捗を管理する
  目標は、「何を」「いつまでに」「どの程度にするのか」で設定
 ④成果把握
  目標を指標化して把握する
  結果指標(成果物を計る基準)だけでなく
  プロセス指標(目標に至る過程が良い方向性かどうか計る基準)により軌道修正を早めに実施
(2)パターンと手順
・目標の構成要素
 ①評価指標(測定方法)
 ②定量化(現状値、目標値)
 ③達成期限
・原因分析のポイント
 ①網羅性
  原因を分解していった内容に漏れがないかどうか
 ②論理性
  原因の分解方法が論理的に正しいかどうか
 ③定量性
  原因を分解した結果をそれぞれ重み付けできるかどうか
・原因の体系化方法
 ①現象別
 ②時系列別
 ③プロセス別
 ④特定視点別
・原因の対極発想法
 問題が起きないようにするには何が必要か発想する
(3)効果/効率を上げるポイント
・分析自体の分析(手法論)に陥らないためのポイント
 分析作業時に以下の枠組みに収める事をいつも意識する
 ①Q(目的合致度)②C(投入工数、サンプリング数) ③D(納期、分析期間)
・効果的な分析方法
 仮説検証を以下の手順で実施
 ①現状特性把握 ②各事象の定量化、関係性把握
・分析におけるポイント
 ①一貫性
  分析した要素間(論理的に繋がっていること)
  サンプリング情報(偏り、ばらつきのないこと)
 ②網羅性
  分析範囲/対象期間/仮説展開内容に漏れがないこと
 ③正確性
  客観的/事実確認済み/計算間違いのないデータ

2.問題の整理に関連した法則
(1)2・6・2の法則
 上位2割が優秀、下位2割が落ちこぼれ、中間が6割
 下位2割が改善されてもまた残り8割が同じように分割される
(2)ハインリッヒの法則
 1件の重大災害の影に29件の軽災害、
 300件の「ヒヤリ、ハット」(けがにならない事故)が隠れている
 (同じ要因であるが、たまたま災害となっていないだけ)
・重大なクレーム1件があれば300件の改善対策を打つべき
・細かなクレームが300件たまれば、重大クレームが起きる可能性が高い
(3)メトカーフの法則
 ネットワークの価値は利用者の2乗に近い数値で爆発的に高まる(n(n-1)通り、送受信別でカウント)
(4)ジップの法則
 出現率(%)=10/順位となる(1位:10件、2位:5件、5位:2件、10位:1件)
(5)パレートの法則
 上位2割の項目が全体の8割の比率を占める
・データが多いときは「ジップ」、少ない時は「パレート」で使い分け