プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」 岡島 幸男(ソフトバンクパブリッシング)
1.リーダーの3つの価値観
(1)顧客満足志向
(2)チームプレイ
(3)中庸であること
①ニュートラルな視点:ワンパターンな思考、方式ありきでなく、ゼロベースで最適な方法を考える
②中途半端とはしない:複数案の折衷(足して2で割る)がベストとは限らない
2.リーダーの3つの仕事
(1)目的を常に確認し続ける
プロジェクト全体が目的を見失わない(なぜこの作業が必要なのか、この仕事が誰の役に立つのか考える)
(2)メンバを演出する
(3)トラブルを克服する
3.課題管理
課題は粒度を保ち、適切に分類するアクションの取れる形まで分割し、優先度別に分類する
4.議事録ドリブンな会議
(1)次回予定は日時だけでなく目的(ゴール)まで決めておく
(2)開催までにメンバ全員の目的の共有と合意を目指す
5.管理の限界と「演出」
管理だけで人の能力を100%引き出すことは不可能のため、「演出」で補う
(1)目的をそのまま伝える(例.「顧客を満足させる」)のはだめ
役に立つことを具体的に伝える(迷ったら目的に戻って解決する手段を教える)
(2)チームプレイの権利を伝える
組織としての拘束義務でなく、権利(困った時リーダーから助言がもらえるなど)を伝える
(3)メンバ個人には中庸を求めない(リーダーが全体のバランスをとればよい)
(4)3Pフレームワーク
仕事に対する充足感を「悦び」(Pleasure)、「プレッシャー」(Pressure)、「誇り」(Pride)に分ける
①「プレッシャー」が大きくなり過ぎたら、仕事の質を変えて「悦び」を与える
②「悦び」が大きく(余裕、慣れ)なり過ぎたら、仕事のレベルを上げて「誇り」を与える
③「誇り」が大きく(独断、思い込み)なり過ぎたら、仕事の量を増やして「プレッシャー」を与える
→スパイラルで成長していくのが理想的
6.トラブルを克服する
(1)トラブルの絞込みはシンプルに考えていく
①分割し、名前を付ける
どんな大きく複雑なものでも全て分割し、名前を付ける
②捨てる
①の際、不要なものはあえて名前を付けないで捨ててしまう
③美しさを優先する
どちらがシンプルかわからなくなった場合は、直感的に美しいと思う方を選ぶ
(2)現実的な解決策
解決策の実施は同時並行的に行い、リスクを減らす(1つの解決策にベストを尽くすより、複数のベターな解決策を実施)
(3)例外的解決策
問題の前提条件自体変えてしまう(専門要員追加、上位マネージャ、キーマン説得といったプロジェクトを超えた視点、ゼロベース思考)
→日頃から重要人物とのコネクションを強化しておくことが必要条件
(4)正直こそ最善の策
嘘をつかず、悪い報告ほど早めに、途中経過も正確に報告する
(5)現場リーダーの責任とは
トラブルが起きたら最後まで現場に留まること
7.「振り返り」のテクニック(気付きを促進する手法)
KPT、タイムライン共にブレスト、KJ法で行う
(1)KPT(Keep Problem Try)
①Keep:良かったので継続したいこと
②Problem:問題点
③Try:次にやってみたいこと
(2)タイムライン
時間軸上のイベントを当時の情緒(つらい/うれしいなど)も含めて書き出す